請負契約と委任契約では認識時点が異なる

企業内税理士の税金
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仕事の完成を目的とするものを請負契約、役務の遂行を目的とするものを委任契約といいます。ある仕事を依頼した場合、請負契約か委任契約で費用の計上時期が異なってきます。

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請負契約と委任契約の違い

請負契約 委任契約
目的 目的物の完成 役務の遂行
報酬の対象 目的物 履行
計上時期 目的物の引渡時点 履行期間の経過後
責任 瑕疵担保責任 善管注意義務
印紙の要否 不要

 

請負契約

請負契約は、目的物が完成し納入された時点で認識します。

あるモノを完成させることが目的です。そのため何時間かけようが成果物への報酬があらかじめ決められていることが一般的です。

・システム開発

→システムが完成・納品・テスト後に資産として計上

・税理士の決算書、申告書の作成

→税理士が決算書や申告書を作成し、税務署等に提出後に費用として計上(決算日前に費用として計上できない)

完成物の有無で認識します。支払い時期は関係ありません。

 

委任契約

委任契約は、ある業務に月〇〇時間投下したことにより認識します。

モノの完成とは無関係に、委託された仕事を行うことで報酬が発生します。

委託者が望んだような結果が出なくても、委託された仕事を処理したことへの報酬を支払うことになります。

時の経過によって費用を認識します。

・システムの保守、運用

・税理士の月額顧問

→〇月分保守料、〇月分顧問料など

責任

責任が重いのは請負契約です。

その分、報酬金額も大きくなります。

とある契約を交わすにあたり、「請負契約にするのであれば、委任契約の2倍~3倍はかかる」と言われたことがあります。

 

システム開発関係で問題となった事例(請負vs委任)

業務委託をする際、「請負」か「(準)委任」か契約書で明確にしておきましょう。

明確にしていないと、下記で紹介するような争いが発生するリスクがあります。

(平成3年の東京地裁)

 

〈争点〉

プログラム開発業務の契約を締結したが、大幅に開発が遅れ、最終的には開発不能となった。

委託者と受託者の間で契約が「委任」か「準委任」かで揉めた。

 

〈受託者〉

受託したプログラム開発業務は「準委任契約」に該当するので、報酬は返さない。

 

〈委託者〉

委託したプログラム開発業務が「請負契約」に該当し、完成できなかったので返金してほしい。

 

〈判決〉

「請負契約」に該当するという判決でした。

受託者が作成した作業工程には、完成させることを前提としたスケジュールが記載されていました。

つまり「完成」させることを目的としてたので請負契約になります。

 

【編集後記】

既に軽減税率に対応している領収書を発見しました。

【育児日記】

昨日に引き続き「歩いて(保育園まで)行きたい」というので途中まで2人で手をつないで歩きました。

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