外形標準課税(付加価値割)の対象になるもの、ならないもの

企業内税理士の税金
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資本金1億円超の法人は、外形標準課税の対象になります。付加価値割の計算で含めるもの・含めないものの判断に迷ったものを挙げてみました。

ファクタリング費用

売掛金をファクタリング会社に譲渡した場合のファクタリング費用です。

償還請求権(買戻し義務)が有るもの⇒支払利子に含めます。

償還請求権(買戻し義務)が無いもの⇒支払利子に含めません。

借上社宅

法人が従業員のために社宅を借り上げているケースです。

法人が支払う賃借料⇒支払賃借料に含めます。

法人が従業員の給料から天引きする金額⇒受取賃借料に含めます。

法人が従業員から受け取る社宅負担料を「雑収入」とせずに「賃借料」のマイナスとして処理しておくと決算時の集計がスムーズになります。

資産除去債務の利息費用

これは支払利子に含めません。

理由は、法人税法上、損金の額に算入されるものが準支払利子の対象になりますので、資産除去債務の利息費用は、損金不算入のため、支払利子に含めません。

倉庫の賃料

これは支払賃借料に含めます。

事務所の賃借料を支払賃借料に含めることは忘れないかと思いますが、倉庫の賃借料の集計が漏れやすいので注意しましょう。

共益費

契約書や請求書にて区分されている⇒支払賃借料に含めません。

契約書や請求書にて区分されていない⇒支払賃借料に含めます。

外形標準課税の対象となる法人では、科目設定を「賃借料」と「共益費」を分けおくと良いかと。

預かり保証金利息

これは、支払利子に含めます。

取引上、信用を担保する目的で、預かるものです。つまり借りているのと同等であるため、その利息を支払利子に含めます。

還付加算金

これは、受取利子に含めます。

国税・地方税ともに受取利子に含めます。

経済的性質が利子と判断されるためです。

売上割引

これは支払利子に含めません。

期限より前に支払いをしたことによる利息相当分ではありますが、法的に利息とはいえないため、支払利子に含めません。

還付加算金は利子に準ずるものですが、売上割引は利子とは言えないということです。

消費税法も、売上割引は利息ではないので「課税」扱いです。

【関連:値引、返品、仕入と割引の考え方

 

【編集後記】

映画『ボールを奪え パスを出せ/FCバルセロナ最強の証(あかし)』が上映されるそうです。上映される映画館を調べたのですが、これからのようです。楽しみです!


【育児日記】

兄:お手伝いしてくれるようになりました!

妹:ペンを持って落書きしたいのか体に書いてました。私も書かれました。

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