前払金(前渡金)と前払費用の違い

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どちらも「前払」という文字がつく前払金と前払費用。しかし内容は別物です。

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前払金(前渡金)と前払費用の定義

前払金とは、商品を受け取る前、あるいはまだサービスを受けていない時点で支払った代金のことです。
文字通り、前払いした金額です。

前払費用とは、契約により継続的にサービスを受けるものに支出した費用のうち、まだサービスを受けていないものです。
ポイントは、「継続」と「サービス」です。

 

前払金、前払費用ともに貸借対照表の資産となります。

前払金(前渡金)と前払費用の違いと具体例

違い

継続的なサービス⇒前払費用

サービス以外⇒前払金

となります。

具体例

前払金の具体例は、広告料、手付金、税理士の顧問料、前払給料

前払費用の具体例は、事務所家賃、保険料

です。

注意点は、税理士の顧問料は前払金に分類されます。

なぜかというと下記の税務上の短期前払費用に該当する・しないの議論があるからです。

税務上の短期前払費用

次期以降に行われるサービスの対価として費用を支払った場合に、要件を満たすと支払い時に経費処理することが可能です。

要件とは、

⑴均質等量のサービスが契約期間中、継続的に受けること

⑵支払った日から1年以内にサービスの対価を受けること

⑶経費処理するのか、資産にするのか、毎期継続して経理すること

です。(他にもありますが、省略します)

 

⑴の等質等量は、具体例にも挙げた家賃や保険料をイメージして頂くと分かりやすいかと。

家賃や保険料は、契約によってサービスの対価は同じです。

これが等質等量ということです。

 

⑵は支払った日から1年というのがポイントです。

間違いやすい点は、期末から1年と勘違いしてしまうこと。

3月末決算法人で、

1/1に1月分~12月分の家賃を支払った場合⇒経費処理OK

1/1にに3月分~翌年2月分の家賃を支払った場合⇒経費処理NG(資産になる)

 

⑶は、経費処理は、コロコロ変えずに統一してください、という趣旨です。

税理士の顧問料と広告料

さきほどの注意点で、税理士の顧問料は短期前払費用にならないと書きました。

顧問料は、等質等量ではありません。

毎月同額の顧問料でも、仕事内容(「質」も「量」)は毎月同じではないので。

 

また広告料は、一定の時期にサービス(CMや広告配信)を受ける為に、前払するものです。

短期前払費用の要件である、継続してサービスを受けないので前払金に該当します。

 

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【編集後記】

写真はLaQというブロックのような組み立てるオモチャです。保育園にもあるようで、たまにお迎えに行くときがあると集中した表情で作っていました。

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